小心者のぼくの日記

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親の会社を継ぐか悩んだ時に考える5つのこと

こんにちは。“小心者のぼく”です。

親が経営している会社を継ぐかどうか、子供にとっても親にとっても非常に大きな決断です。その中でも子供側はこんなことがあるのではないでしょうか。

  • 将来性がなさそう
  • 経営なんて分からない
  • 妻に反対されている

私自身も事業承継者として親の会社に入社し、紆余曲折、波乱万丈、死屍累々、合縁奇縁あって今こうして会社を経営しています。また色んな事業承継者とも関わり合いを持ちました。

この記事はそんな継ごうか悩んでいる方、継がない方に気持ちが揺れているけどモヤモヤしている方の手助けになると幸いです。これまでの経験、知見を基に、承継者が継ぐために入社する前に考えるべきことを5つご紹介します。

ちなみに後継者がおらず悩んでいる社長さん向けの記事もありますので、そちらも是非ご参照ください。

co-fam.hatenablog.com

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継ぐか悩んだ時に考える5つのこと

 

▼結論

  1. 後継ぎはすでに決まっていそうか?
  2. 経営の経験は代替可能か?
  3. 親孝行に満足できているか?
  4. 今現在貯金はあるか?
  5. (結婚している場合)パートナーを説得できそうか?

ご相談いただいた際には、「継ぐことをお勧めします」と答えるようにしています。

「会社の将来性や事業への興味関心は考えなくて良いのか!」

「なんと無責任な!」

と思われるかもしれませんが、あまり重要度は高くないと考えています。

将来性があるという基準で入社する後継ぎは、会社の業績が悪化しだすと耐えられません。むしろ将来性を社員に見せるのが経営者です。また経営者になれば興味のある事業ができるのですから、今現在事業に興味があるかどうかも関係ありません。

では実際にどんなことを考えたら良いのか、具体的に見ていきましょう。

▼解説

  1. 後継ぎはすでに決まっていそうか?

割とここ見過ごしがちで、後継ぎがすでに決まっているかはちゃんと確認しましょう。「子供は自分しかいない!」と思われた方、現社長は社内の役員への承継や、取引先への譲渡等を考えている場合もありますのでしっかり意志を確認しましょう。

親は表向き、「戻ってこなくて大丈夫。承継者も決まっている。」と言うことがありますが、すんなり真に受けないようにしましょう。しっかりと本当に決まっているのか、もし自分が親の会社に入社しても意味が無いのかを聞き取りしてみてください。

  1. 経営の経験は代替可能か?

続いて「会社を経営する」という経験が、自分の人生において代替可能かを考えてみましょう。起業でもしない限り、色んな手順を飛ばして「社長」となり「経営」をするなんて経験はできませんよね。

転職の難易度も下がり、またフリーランスとしても簡単に稼げる時代になりました。継ぐことを前提に親の会社に入社して、自分に経営が向いているかどうかを判断するくらいの時間的・金銭的・キャリア的余裕はあるはずです。

実際親の会社に入社したとしても、並行して副業したりフリーランスをやることもできますから、是非自分の色んな可能性を見極める一つとしてもっと気軽に承継を捉えてみてはいかがでしょうか。

そのうちなんだかんだ言って経営の実務と覚悟が醸成されていきます。

  1. 親孝行に満足できているか?

今親が死んでしまったら。

今自分が死んでしまったら。

親への恩返しにやり残しはありませんか?

私は、跡を継ぐ最大の目的は「親孝行」「恩返し」だと思っています。後継ぎにしかできない親孝行の仕方です。そして、自分が育ててきた会社を息子・娘が継ぎたいと言ってくれることは、相当に嬉しいことではないでしょうか。

私の父も言葉では「こんな会社に戻ってこないほうが良い。売るつもり。」と言っていたのに、私が継ぐために入社した途端、色んな人に自慢しに行っていたようです。これは私だけの経験ではなく、私の周りの承継者の親も同じように色んな会合で社長仲間に話をしているようです。

ちなみに私が会社に戻ってきた直後、人脈作りということでとある経済団体の会合に社長の代理で参加しました。色々な会社の社長と名刺交換する際に一番言われたのが、「なんでお父さんの会社を継ごうと思ったの?」でした。

みんな子供が戻ってきてくれるか不安で、どうにかして戻ってきてほしいんだけど、自分からは恥ずかしくて言えないんです。男として弱みを見せられないんです。「若い子から見たら、うちの業界どう?」とか「においとか暑いとかって、やっぱりいやだよね?」とか根ほり葉ほり聞かれました笑

将来性とか、自己実現とかそういうのは置いておいて、もっと純粋に「人生で一番喜んでもらえる可能性がある」ことも考えてみてはいかがでしょうか。

  1. 今現在貯金はあるか?

とはいえ後継ぎにも生活があります。収益性や業界によっても異なりますが、倒産のリスクは一定以上存在します。

仮に売上が無くなって会社からの収入がなくても3カ月くらいは生活できるくらいの貯金はしておきましょう。3カ月あれば、資金調達できるかもしれませんし、最悪転職活動ができます。

  1. (結婚している場合)パートナーを説得できそうか?

結婚している場合、ここが最難関になるケースもあります。夫婦で地元が同じ、会社も地元にある場合は割と問題が起きずスムーズに親の会社に入社できますが、家族で引っ越す必要がある場合は説得が必要です。

例えば後継ぎの地元が青森県で、会社も青森にあるとしましょう。大学から東京に出て、そこで東京出身のパートナーと出会い東京で結婚。継ぐことはあまり意識しておらず、二人とも東京の会社に入社。最近ふと、「継ごうかな」と迷い始めた。

こんなパターンです。

まだこれが関東であったり、大阪や京都のような都市に引っ越すのであれば話は変わる可能性もありますが、縁もゆかりもない地方(田舎気味)となると相当な説得が必要になるケースがあります。

職はあるのか、友達ができるか、遊ぶ場所はあるか、気軽に実家に戻れるか、家の中に虫が出ないか等々、話し合いをしながらお互いが納得できる条件を探していきましょう。

▼さいごに

いかがでしたでしょうか。

今回は跡を継ぐか迷っている方に、どんな視点で考えたらよいかをお伝えしました。

冒頭でもお伝えしましたが、「まず継ぐと決める。それから先はそのあと考える。」というスタンスでも良いと思います。立派な言い訳を考えて継がない理由を探すより、「親の喜ぶ顔が見たい」で継いだら良いと思います。それは貴方にしかできない親孝行のやり方かもしれません。

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